横浜歩け歩け運動連合会
川 野 義 忠
サラリーマン生活を終えた後の趣味として、友人からの勧めもあって、ウォーキングを始めた。
折角歩くのなら何か目標を……と、考えた時に「地球○周」という、目標設定があることを知ったが、これとは別な考え方で、我が家の宗派が高野山真言宗であることもあって、「四国おへんろ」をやってみることにした。
一人で歩くことで、考える時間が沢山あり、自分自身を見つめ直すことが出来た。
また、四国の人々の独特なお接待文化に接し、人々の心情の暖かさを充分感じることが出来た。
以下、膨大な記録、写真を抜粋して日誌風に記してみました。
●2010年5月6日
- 連休の混雑期を避け、計画通り今日から約3週間のお遍路旅に出発。
羽田発7:20分 JALに乗り徳島空港着8:40分。バス、列車を乗り継ぎ1番札所霊山寺で、お遍路に必要な携行品、例えば納経帳、お線香、金剛杖、等々諸準備を整え11:55分いざ出発。 - 1番札所のお参りを済ませ、山門を後に左折し200~300m進んだ辺りで、地元の婦人から声をかけられた「どちらへ行かれるの?」と。
「2番札所へ」と答えると、婦人から「2番札は逆方向ですよ……1番札所の山門を出て右へ行かないと」と言われ、スタ-ト直後から行程ミス。これから先が思いやられる。 - *参 拝 寺:1~6番札所
*歩行距離:18㎞
●2010年5月7日
- 2日目にして早くも雨。雨は覚悟の上だったがやっぱり辛い。
- 7番札所でお参りの後納経帳に御朱印を受けるのを忘れ、1.5㎞進んだ後に気付き引き返す。
- 10番札所切幡寺は、本堂までの石段が333段ありお参りも一苦労。
- *参 拝 寺:7~11番札所
*歩行距離:26㎞、累計44㎞
●2010年5月8日
- 今日はコース最大の難所(へんろころがし)と言われている3つの山越えだ。
コース入口の標識には「健脚5時間、並脚6時間、弱脚8時間」と書かれていた。 - 400~700m 程度の山を登り下りし、途中の長戸庵、柳水庵、一本杉庵の3つの番外霊場のお参りを済ませ、4時間15分で12番札所焼山寺に到着した。
きつかった! 疲れた! - *参 拝 寺:12番札所
*歩行距離:27㎞、累計71㎞
●2010年5月9日
- 3番に向かう途中、何気なく目に付いた番外12霊場建治寺(13番大日寺の奥ノ院)に、寄り道したらこれが予想外の苦戦。
日頃おへんろさんがあまり回っていないらしく、遍路道は荒れ放題、雑草も伸び放題。
かつ、帰り道、近道を選んだらクサリ道、ロープ道の下り傾斜で難渋した。 - お大師さまと同行二人のシンボルである「杖」を、16番お参り中に他のおへんろさんに誤って持っていかれ、17番で再調達した。
- 今日の宿が最悪。到着直後靴を脱ぐまもなく、おかみさんいわく「うちは素泊まりです。夕食、あすの朝食を今のうちに、近所のス-パ-で買ってきて下さい。」と。
- 洗濯機は家庭用と共用、トイレは電灯切れ……などなど(予約時には何の説明もなし)
- *参 拝 寺:13~17番札所
*歩行距離:36㎞、累計107㎞
●2010年5月10日
- 出発後1時間半過ぎから雨。
- 20番(標高500m)、21番(520m)は、共に山登りでどしゃ降りの雨で靴の中は勿論、白衣の袖口からも水が入り、びしょ濡れで宿に到着した。
- 皮肉にも宿到着後約1時間で雨はあがった。
- *参 拝 寺:18~21番札所
*歩行距離:34㎞、累計141㎞
●2010年5月11日
- 当初予定は23番近くの宿泊りだったが、朝から快調に進んだので、途中で予定の宿をキャンセルして、15㎞先の宿を手配しOKをもらった。
- 午後から雨。雨の中を歩いていて、はじめて「お接待」を受けた。
(後ろから走ってきたマイカーが目の前で止まり、ご夫婦と思われる方から金一封100円と緑茶のペットボトル1本) - 「お接待」は素直にいただくものと言われており、お断りするのは失礼な行為となる。
- *参 拝 寺:22~23番札所
*歩行距離:42㎞、累計183㎞
●2010年5月12日
- 今日の行程は長いので、5:15分スタート、室戸岬方面への国道をひたすら歩く。
- 途中、番外霊場をお参りしたり、道の駅でコーヒータイムをとったり……と
それなりにお遍路歩きを楽しむ。また、路肩で休憩中のマイカーお遍路さん(ご夫婦)から、ミカン2個のお接待を受けた。 - 本日のやど「とくます」は感じ良し。経営者の孫息子のアドバイスで翌朝、太平洋上に昇る、日の出をカメラに収めることができた。
- *参 拝 寺:0
*歩行距離:43㎞、累計226㎞